極めて単純明快な、過去の日本の過ちの総括

http://www.fujiwaraoffice.co.jp/other/sinseinippon_vision.pdf

  • ここからの孫引きになりますが,昭和31年の経済白書にこうあります。
  • 「近代化−−トランスフォーメーション−−とは、自らを改造する過程である。その手術は苦痛なしにはすまされない。明治の初年我々の先人は、この手術を行って、遅れた農業日本をともかくアジアでは進んだ工業国に改造した。その後の日本経済はこれに匹敵するような大きな構造変革を経験しなかった。そして自らを改造する苦痛を避け、自らの条件に合わせて外界を改造(トランスフォーム)しようという試みは、結局軍事的膨張につながったのである。」

経済が自己変革を嫌がり、外部を改造しようとした結果の軍事膨張・・・。単純明快すぎて、初めて知った時は衝撃がとまりませんでした。

ただ、上記の引用前のこの表現にもまた注目するべきでしょう。
「もはや「戦後」ではない。我々はいまや異なった事態に当面しようとしている。
回復を通じての成長は終わった。今後の成長は近代化によって支えられる。そして近代化の進歩も速やかにしてかつ安定的な経済の成長によって初めて可能となるのである。
新しきものの摂取は常に抵抗を伴う。経済社会の遅れた部面は、一時的には近代化によってかえってその矛盾が激成されるごとくに感ずるかもしれない。しかし長期的には中小企業、労働、農業などの各部面が抱く諸矛盾は経済の発展によってのみ吸収される。近代化が国民経済の進むべき唯一の方向とするならば、その遂行に伴う負担は国民相互にその力に応じて分け合わねばならない。」