携帯電話の議論の不可解さ

良く槍玉に上がる「平成18年度. 電気通信サービスに係る内外価格差. に関する調査」ですが、注意するべきグラフが16〜18ページにあります。それは、利用者別のグラフです。これを見る限り、日本の平均支払料金は世界的に見たら平均です。しかし、このグラフには明らかな嘘があるんだけど、何でこれを指摘しないのかなぁ・・・。(アメリカの料金プランは利用者二人で59ドルのプランを採用しているが、これの無料通話は家族で共有なので、無料通話を更に半分にしないといけない。)
しかし、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20071009/137134/
では、「1分間当たりの通話料は、東京が39.4円と、ニューヨーク(11.7円)の3.4倍、ソウル(19.2円)の2.1倍に達している。 」という主張には変わりなく、グラフを見る限り一応正解です。何故、こうなるのでしょうか。
理由を解説するグラフは、19ページのグラフです。要するに、皆さん月に支払う電話代金は世界でほぼ一定なので、その代金に近い料金プランを申し込むだけでしょう。逆に言えば、安いプランを申し込んでも、自動的に料金プランが上がるだけと推量されます。・・・しかし、日本ってデータ通信オプションを入れて、まだこの程度の値段にとどまっているのね・・・。すげぇ。


皆さん、世界的な携帯電話料金の内訳を知らなさ過ぎると思います。
例えば、2007年10月11日のコメントにはこんな発言があります。
>通話、メール、基本料が使い放題の定額で3000円以下の料金を提示する会社があったらすぐそっちへ移動しますよ。
>基本料、通話料含めて完全定額で2000円くらいが望ましいのではないか。今のままでは国際競争力などつくはずもないだろう。
そんな料金、先進国では何処を探してもないわ!存在しない青い鳥を探してどうする!世界的にみてポストペイドの最低料金プランは最低30ドルが相場!
・・・あ、香港にはありましたね。エリアが山手線内側よりも狭い香港地域限定で、香港を出た瞬間にあっという間に国際ローミングになるけど。中国本土でも同料金の場合は値段がかなり高くなります。ユーザーの支持率はイーモバイルの顧客数次第でしょうねぇ。
ちなみに、その当の香港で携帯メールを本格的に使い出したのは2006年の秋口からだと香港在住のビジネスマンから伺いました。

あと、2007年10月10日のコメントにあります、
ノキアモトローラソニエリの海外端末が日本で使えるようになればすぐに乗り換えます。たとえOSが英語だったとしても。
これは少数派の考えだと思います。なぜなら、既にNokiaショップとかで海外性で日本で使える端末は販売されていますし、オンラインショップででも入手は容易です。秋葉原でも入手可能です。
にも関わらず、利用者が伸びないのはそのような乗り換えるユーザーが実は潜在的に非常に少ないからではないかと。そのため、
>現在の携帯が異常なのは消費者に”選択権”がないことです。
は間違いでそのような選択をする消費者が少なすぎることに原因があると考えられます。Vodafone時代の世界統一携帯端末に失望し、かつ当時大量のユーザーの流出を招いたことを考えると、「大多数の人は・通話・プッシュ型のメールができればよくてお財布ケータイやフェリカなんてあったらいいけどなくてもよいものだと思います。」はありえないと考えられます。


変な話なんですが、日本における海外の携帯電話の利用ユーザーが、偏りがひどすぎます。例えば、10月10日のコメントにある
>現在私が使用している携帯電話は、日本を除くアジア、欧州、北米、アフリカなどで使用でき、商用で海外を飛び回る場合、一台の携帯電話でどこでも使用できます。
・・・SIMカードを複数利用している方でしょうけど、こんな方は果たして全世界でどれくらいの割合なのでしょうか。複数のプリペイドSIMカードを使いこなす方は極めてマイノリティだと思います。この方は、GSMSIMカードをさしても利用できない携帯電話がアメリカの携帯電話の利用者の6割近くを占めていることは御存知でしょうか。
アメリカに在住している普通の人の立場から海外の携帯電話市場を説明してくれる人が望まれます。

あ、そうそう。スマートフォンですが、日本で売れない理由はPalmがザウルスよりも売れなかった理由と同様です。本質的にパソコンと連携させないと活用できないスマートフォンは、携帯端末単体で完結させる日本の「ケイタイ」とは相性が最悪です。日本の生活スタイルで、これがメジャーになるという発想自体がおかしい。


実は私は携帯電話定額制は反対です。なぜなら、固定回線よりもサービスの質のばらつきが大きい携帯電話では、定額制にすると通話そのものがつながらない悪夢が再び訪れかねないためです。
むしろ、日本人にとって真の公平な料金プランは「通話もメールもウェブも全て通話時間に換算して支払い料金を計算する」料金システムであると考えます。あまりにも使い方が多種多様な日本の携帯電話の利用シーンで真に公平なプランはこれしかありえないと思います。メールは1通10秒とか、データ通信は1MB10分通話相当とか。

10月11日の
>日本・米国・韓国以外では携帯電話システムは世界共通化されているので、安物
の端末(4千円もあれば買える)でどこ会社の回線でも共通に利用できる
安物の端末(4千円もあれば買える)・・・せめて中古端末だと指摘しましょう。
後、当然AUと同じ通話形式のキャリアは使えません。(欧州とアフリカ以外では結
構多い。)
後、
>また、「日本の携帯電話機の水準は高い」と言っても、ノキアソニーエリクソ
ン、モトローラ等のハイエンド機種に比べれば見劣りします。これが日本のぬるま
湯市場で甘やかされた日本の携帯電話メーカの実情ですが、この実情だって海外に
出なければ実感できません。
これは大嘘でしょう。日本の携帯電話の使い方では、ノキアモトローラのハイエ
ンド機種は非常に使いにくい代物です。