正確に海外の携帯電話料金を把握する難しさ

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070717/129953/
コメントが痛い・・・。せめて、事実を踏まえて話して欲しいです。

例えば、2007年7月18日の下から5つ目の発言にある、
>携帯電話会社の将来に向けた活力を維持させるために、消費者は、毎月毎月何万円もの高額料金を払い続けろと言いたいのだろうか?
これですが、アメリカの電話代は日本より安いのは事実ですが、実際に契約すると現在2万円払っている方は3割くらいしか安くならないという事実は考慮するべきだと思います。
(無料通話が多そうに見えるが、海外は着信有料が普通なので、日本の感覚で実際に使える時間は半分ほど。)
そうでなければ、自由化されたけど事前の想像より電話代は高いままという状況がやってくるでしょうし、それはまさに今回の話で指摘された「泥沼」状態になると思います。

実際に計算して見ましょう。

例えば、発言にある月に2万円払うと想定します。Docomoで契約して「ひとりでも割」+「年間割引」で2年間固定にして(海外でも似たような制度があるのでそれに準じる)メール・Web定額を付けた形を考慮します。
そうすると値段は9502円(2年目)+4095円+210円=13807円。残りを通話に回すとすれば、月2万円で733分+421分会話が可能になります。
アメリカは、サンフランシスコのb-mobileで139$のプランに50ドルのパケット通信定額をつけた形になります。
無料通話が5000円ですが、アメリカは基本的に着信有料ですので、無料通話時間を半分にして考えれば2500分が無料通話となります。

他にも、7月18日の一番下の発言にある
>日本の携帯事情は奇異で海外の機種が一切、日本で使えない。
これは、ある意味嘘です。ドコモやソフトバンクSIMカードを海外の機種でW-CDMA対応機種に指せばちゃんと通話可能です。SMS限定ならメールも使えます。
GSM対応限定という機種が中級品以下を中心に多数を占める海外の状況に一致しにくいだけかと考えます。なお、韓国も日本と全く同じようにGSM携帯が使えませんが携帯電話端末の国際競争力は高いです。

このように携帯電話に関しては海外の事情を正確に踏まえて発言する人が少ないことが、逆に話の混迷の度を深めていると考えられます。

なお、携帯電話で香港の安さが良く例に挙げられますが、格安料金は香港地区限定と言う「山手線内側くらいの広さ」限定であると言う認識が必要でしょう。香港から出た瞬間に国際ローミングになります。