日本の携帯電話料金は高いのか,その2

お題1は前日の日記参照。

お題2.日本の電話の料金は高い
日本では当たり前ですが,海外では受信にも通話と同じ値段がかかる携帯電話会社が多いです。もちろんイギリスのように着信は原則無料の国もありますので,そこと比較してみるのが一番早いと思います。まずは,プリペイド電話の通話値段を。また,ある意味分かりやすいので,ハイエンド料金プランも示してみます。
http://www.cheapcalls.jp/prepaid/
ワールドSIM:1分70円(モベルコミュニケーションズ)・・・基本料金無料。受信無料。
アメリカ:T-mobileプリペイドカード・・・有効期限100ドルで1年
1分10円(100ドル一括通話料購入時)ただし,受信時も同料金
1分33円(10ドル一括通話料購入時)ただし,受信時も同料金

T-mobileポストペイドプラン(24ヶ月縛り)
http://www.t-mobile.com/
金額:39$(割引プランなし)・・・300分無料通話,1分40セント,メール・データ通信不可,5指定先通話無料,(週末昼間・平日午後9時から朝7時まで無料通話,)
金額:139$(割引プランなし)・・・5000分無料通話,1分40セント,メール・データ通信不可,5指定先通話無料,(週末昼間・平日午後9時から朝7時まで無料通話,)
メール:400通=5$,1000通=10$,無制限=15$,超過分=
ケータイネット接続=6$(ケータイ端末限定でつなぎ放題?)
社内携帯電話同士無料=7$
データ通信定額(パソコン接続可能)=50$(速度384kb)
(ただし,エリアは西海岸中心。別途記述。)

イギリス:Mobile World プリペイドSIMカード
1分29円(ただし,日本国内固定電話への国際電話は1分20円)・・・有効期限は60日以内に一度でも利用すること。チャージは10ポンド単位。
パケットフリー・・・£14.99(=3300円程度,)

Orangeポストペイドプラン(18ヶ月縛り,12ヶ月縛りだと無料通話が半分に。)3G適応可能
(メール中心のDolphin,固定電話との通話中心のRacoon,夜や週末に使うCanary,全サービス希望のPanther
http://shop.orange.co.uk/shop/yourplan/online
Dolphin £19・・・通話1分12p(発信・着信,他携帯は35p),テキスト送受信一回15p(通話75分,メール225通無料)
£35・・・通話1分15p(発信・着信,他社携帯は40p) ,テキスト送受信無料(無料通話550分)
Racoon £35・・・通話1分12p(着信・固定電話は無料,他社携帯は35p),テキスト送受信一回12p(無料通話550分,メール220通無料)
Panther£75・・・通話1分12p(発信・着信,他社携帯は35p),テキスト送受信無料(無料通話1600分,オフピーク時のモバイルネット利用無料,)

VodafoneUK(18ヶ月縛り,月額,通話は1分単位,着信も同料金)

£20・・・75分無料通話・携帯キャリアサイト接続無料+週末割引か100通メール受信無料を選択
(通話18p,他社携帯40p,データ通信£2.35/MB,メール一通12p,特定番号割高)
£35・・・500分無料通話・メール100通無料・携帯キャリアサイト接続無料+無料通話5割増・メール250通無料か,メール1000通無料を選択
(通話10p,他社携帯35p,データ通信£2.35/MB,メール一通12p)
£75・・・1200分無料通話・メール250通無料・携帯キャリアサイト接続無料+無料通話5割増・メール500通無料か,メール1000通無料+週末割引を選択
(通話18p,他社携帯40p,データ通信£2.35/MB,メール一通12p)


(参考:日本の料金プラン,通常申し込み可能な一番割高なプランを想定)
NTTDocomo(いちねん割引+家族割1年目,iモード基本使用利用料210円除く,無料通話をデータ通信やメールへ移行可能)
タイプSS2340円・・・1分42円(着信無料),メール送受信1回3円(全角100文字,無料通話25分)
タイプM4504円・・・1分29.4円(着信無料),メール送受信1回3円(無料通話142分)
タイプLL9964円・・・1分14.7円(着信無料),メール送受信1回3円(無料通話733分)
データ通信1800円/MB
パケ・ホーダイ4095円・・・携帯サイト接続・メール無料,データ通信0.021円/パケット=180円/MB
バケットパック10・1000円・・・メール含む全てのデータ通信0.1円/バケット(1000円無料)
(データ通信プランは別途)
SoftBankMobile・・・プリペイドプラン1分120円(1秒単位課金)

注意:E-mail送信料金(文字のみ)
ワールドSIM:1回90円(モベルコミュニケーションズ)
アメリカ:T-mobileプリペイドカード・・・受信無料,送信10円
イギリス:1回26円
日本の携帯電話:送受信3円
日本のプリペイド携帯電話:送受信1回5円
http://mb.softbank.jp/mb/prepaid/about/price_plan.html

150ドル支払ったときの無料通話時間(料金プランは一番150ドルに近いものを利用,差額分は有料通話したと見なす)
日本・・・1250分(着信無料)
ワールドSIM・・・1500分(着信でも消費)
Orange・・・1600分(着信でも消費)
OrangeRacoon・・・770分(着信無料)
VodafoneUK・・・1800分(着信でも消費)
T-mobile・・・5020分(着信でも消費)

50ドル支払ったときの通話時間
日本・・・155分(着信無料)
ワールドSIM・・・300分(着信でも消費)
OrangeRacoon・・・175分(着信無料,月25£)
VodafoneUK・・・75分(着信でも消費,月20£)
T-mobile・・・600分(着信でも消費)

結論から言えば,日本は料金プランの選択肢が低いだけで,同じ使い方をする限りにおいては値段に大差はないといえます。通話と携帯メール両方使うヘビーユーザーはその価格メリットを遺憾なく享受することが可能です。
 ただし,日本は通話料金における無料通話が極端に少なく,欧米は受信時もかけたときと同じ料金がかかり,メールなどの電話以外の機能が本質的に割高,という違いになります。また,プラン指定以外の使い方をしたときの料金の割高さは日本の比ではありません。
ただ,日本は通話に特化したプランが無く,それが割高な印象を与えていることは間違いない事実です。電話だけのプランを考えたときは,日本の携帯電話料金は,通話代金の引き下げを考慮する必要は在ります。または,SoftBankの旧プランにおけるバリューパックダイアのような基本料金20000円(無料通話1000分)の料金を用意するべきでしょう。これの10年超過プランでは基本料金10000円で無料通話1000分は,諸外国とまったく引けを散らなくなります。
 これらの違いは携帯電話会社キャリアの戦略設定によるものが多く,ナンバーポータビリティ外資の導入によって料金プランの値下げに繋がると言う議論自体が怪しいものだと言わざるを得ないでしょう。欧米でも,日本と同じ使い方をすれば(これ重要),日本と同じ金額となります。